<目的>
2004年5月。パリを訪れるのはこれで4度目になる。初めて訪れたパリの街は私に多くの刺激を与えてくれた。いつも何か目的を与えてくれ、退屈させない街、それがパリの街だと思う。
初めて訪れた時は街も食べ物も、買物も歴史もすべてが新鮮で随分欲張って見たのを覚えている。
シャンゼリゼ通りを歩き、エッフェル塔や凱旋門をバッグに何枚も写真を撮った。グランカフェでお茶をしセーヌ川のほとりに立つ鴨料理の名店テュールダルジャンにも足を向けた。職業柄大きな本屋さん、ナタンやシャントリーブルではマドレーヌ、ババール、星の王子さまなどの世界に触れた。フォションではお菓子を買い求め、ジャンヌダルクの騎馬像を横目にお土産通りを歩いた。休日にはベルサイユに足を延ばし、ルイ王朝の絢爛豪華な時代に思いを馳せる。夕方には地元人を気取ってスーパーで食材も買い求めてみる。初めてのパリはとにかくなにもかもが新鮮で時間の許す限りいろいろなことを経験してみた。自身が求めればそれに精一杯応えようとしてくれる街、それがパリ、だ。
目的を持つと更に深さを増して、印象に残る旅行になる。今回は美術館巡りをしてみようとか、エッフェル塔に昇ろうとか、ムーランルージュのショーを見に行こうとか、オペラ座の公演に出かけようとか、なんでも良いのだ。
パリの街では思いを残して帰ってくる事が多いのでこんな風に後に何回か足を運べる機会に恵まれるのかもしれないと思った。
今回の大きな目的。それは蚤の市を周ることだった。それをかなえるべく向かった初めてのクリニャンクール。しかし土曜日のクリニャンクールは大雨となった。でもこんな天気だから思い出は尚強く心に残るというものだ。
収穫は小さくて軽い物にとどまったのはそのせいかもしれない。可愛らしい何枚かのアンティークカードとピンク色のボンネットスタンド。
クリニャンクールの思い出はこれにカフェで食べたパスタとギターの音色が1セットで付く*^^*
クリニャンクールの帰りにいつか絶対!と思っていた<モンマルトルの丘>へも足を向けることが出来た。この頃にはもう雨も止んで街は私たちを応援しているみたいだ。急な坂道も傘をささずに景色を楽しんで歩く事が出来る。歩いていて楽しいところはこんな風にゆっくりと、みる物に触れることが出来る所だ。車やバスの速さでは見過ごしてしまう。再びその場所に戻る事はなかなか困難だ。歩く速さは自分の中に生まれた小さな興味や関心とうまく並んで答えを与えてくれる。だから思いを残す事が少ないのだ。これも時間が許せば、、、の話であるが。。。
モンマルトルの丘から眺める景色はそれはそれは素晴らしかった。雲っていてもこれだけ素敵なのだから晴れた日はさぞかし、と思った。次への課題が又一つ出来てしまった。
夜は再びの雨、それも真冬のような寒さの中で強い雨が降る。今年のパリの天候はとても変わりやすいのだそうだ。分単位で雨がやりのように降ったり鋭く重い雹が舞う。そんな中で昇った夜のエッフェル塔。思い出は強烈になるばかりだ。
最終日のパリの朝はゆっくりだった。時間は限られているというのに、だ。
ホテルでノンビリとパンをかじり暖かい紅茶を片手についついオシャベリが弾んでしまう。私は外国のこんなのんびりとした空気の流れがとても好きである。最終日の目的も忘れて居心地の良い場所と流れる時間に身を任せてしまう。
今日は日曜日。朝早くから開かれている蚤の市がある事を知っていても、だ。しかもそれは思いのほか近い場所で行われているという。。。
初めて訪れるヴァンブ。何だかとても親近感を覚えた。地元の骨董市の雰囲気に似ていたからだ。青空市というところが私の気持ちをますます開放的なものにしてくれる。はじめてみるもの、触れるもの。憧れが一杯詰まった場所。その場所を縦横無人に歩き回る事が出来る。なんて幸せなんだろうと思った。ひとときでもパリッ子気分を味わえた。
運命の出会いは5つの引出しのついたチェストとキャニスターだ。この引出しとキャニスターの中には今回のパリでの思い出を沢山詰めこんだ。
行く先は何マイルも離れた遠い日本。
出会えた事に感謝。出会わせてくれたすべての人たちに感謝。
大切に、大切にしようと思った。
アンティークキルトを椅子の上にディスプレイ。。。
新緑が気持ちの良いヴァンブの蚤の市。。。
テーブルの上一杯にアンティーク。。。
アンティークレースのボンネットが優しげ*^^*
サーモンピンク色のリボンのついたアンティークのブラウス*^^*
アンティークの生地が一杯のショップさん。。。
アンティークのブラウスやペチコート、ベビードレス。。。#^^#
・・・クリニャンクールにて・・・